私はメインの仕事の他に英語の通訳をしています。TOEICスコアは895点です。
英語の勉強法など、ためになる情報をお伝えします。
TOEICで良いスコアをとっておいた方が就職や転職に有利って聞いたんだけど、そもそもTOEICってどんなテストなの?
それぞれの試験に、特徴や傾向があるように、TOEICにも独特の傾向があります。TOEICの勉強を始めるには、まず、TOEICの試験では何が求められているのかを知ることが重要です。
この記事では、TOEICの試験傾向を知るにはどうすればいいのかを解説します。
TOEICの試験の傾向をつかむためには、公式問題集がもっとも効果的であり必須です。
公式問題集をやらずに、TOEICを受験することは、高額な試験をぶっつけ本番で受験するのと同じくらい無謀な行為です。
公式問題集の効果的な活用方法について解説します。
TOEIC受験者にとって、公式問題集は必須のアイテムだということを認識しておいてください。
TOEIC公式問題集が必要な理由
ここまで、公式問題集は受験者にとって必須のアイテムだとお伝えしてきましたが、その理由について説明します。
本番の試験の感覚をつかむため
公式問題集は、TOEIC試験の本番に配布される試験用紙と同じ構成になっています。問題用紙の大きさも問題の配置も同じです。
そして、付属のマークシート用の解答用紙もあるので、マークシートを塗りつぶすという作業も本番と同じように練習を積むことができます。
でも、他の問題集でしっかりと勉強しておけば大丈夫なんじゃないですか?
他の練習問題で勉強しても、役には立つと思います。
でも、問題用紙の大きさが本番と違うので参考書をめくるペースが違うし、マークシートに転記する必要もないから、どうしても本番と感覚がずれてしまうんです。
さらに、リスニング・パートでは、それぞれのパートで事前説明が流れますが、それも忠実に再現されています。
実際の試験では、既に知っている事前説明の時間を問題の先読みに使うことで、点数に差が出てきてしまいます。
公式問題集を使ってあらかじめ本番に慣れておくことで、本番の試験で平常心を保つことが、TOEIC攻略の第一歩になります。
問題数の多さを体感するため
TOEICの試験は、とにかく問題量が多いのが特徴です。
初めて受験する人は、試験問題すべてを解き終えるのは難しいのではないかと思います。そのくらいの問題ボリュームです。
ハイスコアをとっている人でも、最後の問題まで解けない人もいます。つまり、「全部解けなくても大丈夫」ということです。
だからと言って、「できるところまで解ければいい」という心構えでは高得点は望めません。
そこで、公式問題集を本番試験と同じ時間内で回答し、次の2つのポイントについての感覚を覚えておいてほしいのです。
このポイントを把握することで、勉強するとき、どこに重点を置くべきかというのがわかってきます。
勉強の戦略を立てるには、まず「知る」ことが大切です。
時間に対する意識を明確にするため
TOEICの参考書や、多くのインターネットの記事には、「TOEICで高得点をとるには、時間配分が大切だ」と書かれています。
しかし、受験歴が浅い人ほど、時間配分を気に配る余裕はないと思います。
TOEICの試験内容は、大きく分けると次の2つに区分されます。
試験では、リスニング・パートが終わってからリーディング・パートに進むように決められています。リスニング・パートでどれだけ時間に余裕があっても、リーディング・パートを読むことは違反行為です。
つまり、リーディング・パートは、リーディング・パートの時間だけしか使ってはいけないのです。多少の戦略の違いはあると思いますが、基本的には、問題を順番に解いていくしかないのです。
ここで大切なのが、公式問題集をやることにより時間に対する意識を身につけておくことです。
読み返したけれど、どうしてもわからない問題もあると思います。時間間隔が身についていれば、どのくらいまでの時間なら粘って考えられるか、それとも諦めて次の問題に移るべきかが分かってきます。
公式問題集をやっておくことで、その時間間隔を知っておきましょう。
公式問題集をやるメリット
公式問題集はTOEICの問題を作っている組織が作成している
公式問題集は、TOEICの問題を作成しているETSという組織が作成しています。
ETSというのは、アメリカに拠点を置いていて、英語の試験として有名なTOEFLやSATのテストプログラムの開発をしている組織です。
その組織が、TOEICの試験を作るのと同じ工程を経て作成されたのが公式問題集です。つまり、TOEICの本番試験と兄弟みたいなものです。
折角、本番の試験を作っている機関が、公式の問題集を出版しているわけですから、高額の受験料を払って本番を受ける前に、手頃な価格で売っている公式問題集を解いて、感覚を身に着けておくべきなのです。
問題集の大きさが本番の問題冊子と同じ
公式問題集の大きさは、本番に配布される問題冊子と同じ大きさ、同じレイアウトで構成されています。
パートごとの説明まで同じ配置と内容です。
公式問題集以外の市販されているTOEIC対策の参考書は、A5版のものが多いです。当然、本番の問題冊子の配置とは異なった構成になってしまいます。
勉強にはいいかもしれませんが、試験の感覚を身に付けることはできません。
先ほども記載したとおり、TOEICは時間との勝負です。本番で、自宅で勉強していた環境と違うことに戸惑っている時間的余裕はありません。
1ページに収まっている問題量、ページをめくるペース、そういった一つ一つの動きが点数に影響してきます。
ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、高いスコアを獲得している受験者というのは、こういった対策をしっかりやっています。
公式問題集の問題の大きさが、本番の問題冊子と同じということは、公式問題集をやっておくべき大きな利点になるのです。
付属の解答用マークシートが本番の配列と同じ
まず、本番でも使われる回答用のマークシートを見てください。
問題は、リスニング・パートとリーディング・パートを合わせて200問あります。解答用紙は、200問すべてが1枚に収まるように作成されています。
ここで、注目してもらいたいのが、それぞれの解答(ANSWER)の列の途中から、次のパートの解答が始まるというところです。
例えば、「Part2」は7問目から始まりますが、解答場所は一番上からになっていません。「Part1」の続きから回答するようになっているのです。
この解答様式も各種試験ごとに違ってきますが、TOEICにおいても独特の配置になっています。
本番の試験で、このマークシートを見たら、一瞬どこから回答していいの分からなくなる人もいるのではないかと思うくらいです。
この解答用マークシートは、公式問題集に付属されていますので、コピーして何度でも使いまわすことができます。
公式問題集を解いた際は、このマークシートに転記するという作業も含めて時間内にどのくらい正答できたかを知っておくことが肝要です。
本番と同じスピーカーによるリスニング音声
日本語でも同じですが、話者によって話し方に癖があり、聞き取り易さが違ってきますよね。英語でも同じです。
TOEICのスピーカーは、選りすぐられた方々ばかりなので、基本的には聞き取りやすい発音とイントネーションです。
しかし、事前に同じスピーカーの話し方を聞いたことがある人と、ない人とでは理解力が格段に違ってきます。
公式問題集用の音源は、公式スピーカーによる出題になっているので、本番試験前に本番と同じ人の話し方が聞けるというのは大きな利点になります。
同じように話し方が上手なアナウンサーでも「田中みな実さん」と「有働由美子さん」では、全然違いますよね。
英語の話者によっても、聞こえ方は全然違うんですよ。
市販の問題集などでも、優れたスピーカーによるリスニング問題が作成されているので、実用的な英語のリスニング力は身につきます。しかし、やはり人が違うと聞こえ方も違ってくるので、TOEIC対策としては不十分です。
公式問題集のリスニング・パートについては、CDが付属されてますし、インターネットからもダウンロードができるようになっています。
何度か聞けば、スピーカーの声が馴染んできますので、ぜひ活用することをお勧めします。
おおよそのスコアが換算表でわかる
公式問題集には、正答数からおおよそのTOEICスコアがわかる換算表が付属でついています。
ぜひ、問題集をやったら、やりっぱなしにするのではなく、自分が今どのくらいのスコアにいて、どのパートが弱点になっているのかを分析してください。
そして、弱い部分を補強することにより、スコアは努力した分だけ上がります。
ただし、注意してもらいたいのが、この換算表はあくまで目安だということです。
公式問題集ではハイスコアだったのに、本番試験だと全然スコアが伸びなかったという話はよくあります。
公式問題集をやればやるほど、問題を覚えてしまうし、点数も上がったように見えてしまいます。換算表による点数は、「弱点をあぶりだす手段」くらいに考えておくのがいいでしょう。
公式問題集に取り組むタイミング
基本的には、公式問題集をやるタイミングは、次の3回です。
1回目:TOEICを受験しようと思ったとき
まずは、TOEICを受験しようと決めた時に取り組んでみるべきです。
このタイミングで取り組む理由は、TOEICの問題の傾向や問題数、そして自分の現状を知ってもらうためです。
ですので、点数についてはあくまで目安として、良くない点数であっても全然気にする必要はありません。
その後の勉強方法については、今後紹介予定ですので楽しみにしていてください。
2回目:受験までの期間の中間地点
TOEICの勉強を始め、受験しようと思っている時期の中間地点まで来たら、もう一度、公式問題集に取り組んでみてください。
この時期までには、それぞれのパートについては、ひと通り勉強が進んでいると思います。
このタイミングで公式問題集をやることで、確認してほしいのは苦手なパートと回答スピードです。
苦手なパートについては、勉強段階で既になんとなく分かっている時期だと思いますが、点数にすることにより明確になるので、客観的な点数として再確認してください。
解答スピードについてですが、ほどんどの人は、すべての問題を解答できなかったのではないかと思います。
リスニングパートについては、音声が流れていくので時間配分を特に気にする必要はありませんが、リーディングパートは、個人差が大きくなります。
全問解けなかったとしても、全ての問題に目を通せるくらいのリーディング力をつける必要があるということを、この時期に実感してもらいたいです。
3回目:受験の1週間前
3回目は、受験の1週間前です。
この時期に公式問題集をやる理由は、ずばり「試験の予行演習」です。
試験日と同じ時間に起き、試験開始時刻と同じ時刻から始めてください。
予行演習をすることで、勉強以外のことで改善するポイントがあることに気づくと思います。
本番までに生活のリズムを調整することができるので、そのためにも問題集を有効活用してください。
まとめ
TOEICは、英語の勉強をしていれば良いスコアがとれるというものではありません。
もちろん基礎的な英語力は重要ですが、試験独特のクセを理解したうえで、対策をすることがハイスコアを獲得するためには必要です。
できるだけ少ない受験回数で望んだスコアを獲得するためにも、公式問題集を有効活用してください。今後もみなさんにとって役に立つ情報を提供していきます。
努力した分だけTOEICのスコアは上がっていきます。努力は決して裏切らないので、一緒に頑張っていきましょう!
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